大塚智則

声優 大塚智則 First, There was a boy longing to be a hero…

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Story-003 ”リアル”に 演じる?

Story-003 ”リアル”に 演じる?

How to perform “REAL” ?

 

リアルに演じるには
声優なので声・・・
と最初に思うかもしれません
根本的には全ては生活
キャラクターを演じる時
それ自体が特別なもの
と捉えてしまうから
日常の記憶を演技に活かせない

日常の中にある

ごく当たり前の感覚を
記憶し続けることが大切

…それにはまず

キャラクターの日常の構築をしないと

名前、年齢、出身、血液型、家庭環境

社会的地位、好きなもの嫌いなもの
好きな人、嫌いな人
フラットで当たり前の
日常をまず作ることで
フィクションの要素
を取り入れる

とは言え

日常の中に本来無いもの・・・
フィクション・・・
それをイメージする
様々な作品を見たりする
映画もアニメもドラマもラジオも
舞台や落語や能や狂言
ライブコンサートやイベントも

出演者も製作側も観客も全て

とにかく多角的にアンテナを張る
様々な人を観察し

使える出来事、キャラクター
とにかく使えるものを記憶していく

体験しなければ

演じることができない・・・
となると、役によっては
人の道を外れてしまう
だから強いイメージ力が必須

人は生まれもって常に成長する過程で

試練を与えられているはず
それに打ち勝っていくことこそが
人生を裕福にしていく事だと

常に辛いことは付きまとう

でも・・・
それが糧になる

演技とは

日常を生きる人達の代わりに
非日常を体験させる為のものだと
人よりも辛い経験をする事こそ
演者としての幅を広げ
深める手段なのだと

心の中の闇をこじ開け

コンプレックスとプライドを破壊する
そこから新しいキャラクターへの準備がはじまる
若手の頃はそれができなければ
己から脱することは
困難だと捉えていた

そこまでやらなくても・・・

と言われた
とあるハリウッドスターのエピソード
がある
戦争映画に出演するにあたり
銃弾を足に受けた時の
臨場感を作るために
麻酔無しで歯を抜いたという
エピソードを聞いた時に
『やってみよう…』と思い
麻酔無しで歯の治療をしてもらった
ことがある
失敗だった・・・
歯の神経を取る治療の
痛みに耐えられる訳もなく
即、麻酔をお願いする

体験に勝るものはないが
命をかけるだけの物を生み出すには
まだまだだ・・と文字通り痛感

それから

高層ビルから落下するという
シーンの時は
幼少期に実家の山で
月の輪熊に出会い
遮二無二逃げて
7メートル位の滝から落ちた時の
経験が生きており

ただ・・・

その時、リアルにはどんな風に声が出ていたかが
どうしても思い出せず・・・
結局バンジージャンプで飛んで
実験してみた
その結果
声が出るのは
飛ぶ前と飛んだ後・・・
という事で

ここで、日常のリアルだと

分かりづらいと言うことに気付き
演技としてのリアルを
追及する事になる

声帯や骨格の模写ももとより

キャラクターの身体の状態を
第一に考える
精神状態も性格も環境も
そのキャラクターの体調に
反映されることが多いので

映像やキャラクターイメージ

自分のキャラクター以外の台詞等から
構築していく

そのあと、声を乗せていきながら

本体の肉付けをしていく

何はともあれ

声に強い個性を持っている方と
作品を作りながら勝負していく為にも
リアリティーのある演技
断固たる決意を持った声圧が
必須になる

その為の努力を惜しまないこと・・・

沢山人前で恥をかく・・・
良い意味で
その事も含めて、沢山学び、感じて
それを自分の中できちんと肯定
正当化していく

そんな作業の毎日・・・

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